TOOLの感想、ライブレポート(2025年 Kアリーナ)

2025年12月11日(木)、Kアリーナ横浜で行われたTOOL(トゥール)の単独公演としては約19年ぶり、アジア唯一の公演となった来日公演に参加してきました。

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TOOL

プログレッシブ・メタルの巨星、TOOL(トゥール)の雄姿を観ようと、この平日にも国内外問わず多くのファンがKアリーナ横浜へと足を運びました。
男女比は、メタルのライブらしくほとんどが男でした。
会場に入ると、至る所に「撮影・録音禁止」の張り紙が掲示され、アナウンスが繰り返されていました。スマートフォンやカメラの画面越しではなく、今この瞬間の音と映像を全身で体感せよというバンドからの強いメッセージで、暗闇の中で静寂と期待だけが充満する、昨今のライブでは珍しいダークながらも神聖な空間となっていました。
最新作『Fear Inoculum』の楽曲で厳かに幕を開けると、The GrudgeとDispositionというハードでゴリゴリなヘヴィな世界を展開。ステージ後方の巨大スクリーンには、アレックス・グレイのアートワークを基調としたグロテスクでサイケデリックな映像や、不気味かつ美しい幾何学模様が投影され、それにトゥールのプログレッシブな変調の多いメロディが絡み合うことで視覚と聴覚の境界が曖昧になるようなトリップ感を演出していました。
アダム・ジョーンズ(Gt)の重厚なリフ、ジャスティン・チャンセル(Ba)の腹に響くうねる重低音、そしてダニー・ケアリー(Dr)の人間離れしたポリリズムが、クリアかつ暴力的な音圧で襲いかかってきました。
中盤のハイライトはPneumaからのJambiという代表曲のコンボ、レーザー照明が幾何学的な結界のように会場を突き刺し、Kアリーナの7階席の幕に写像されていました。
そして本編終了後、アンコール待ちの時間にはステージ上に小休止のカウントダウンが表示され、不思議な緊張感をキープしながら、再登場後のChocolate Chip Tripでのドラムソロを経て、ショーは終盤へ。。
ラストナンバーの前、メイナードが低い声でボソリと「今から携帯を出していいぞ」と許可を出すと、会場の空気が一気に緩和。無数のスマホライトが掲げられる中、ラストに披露されたのは名曲Vicariousがマグマま〇こと形容されるようなグロテスクな映像と共に神々しく演奏されて終了しました。

それはライブというよりは儀式で、演奏も基本座って鑑賞しており、モッシュとかそういうことをしたわけではないですが、ライブ後は疲労感と多幸感で満たされていました。

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