唯一無二のファッション、革新的なアート志向、そして圧倒的な歌唱力と表現力で、ダンスポップからジャズ、映画音楽までジャンルを超えて活躍する世界的なポップアイコンのレディー・ガガ。
そんな彼女のおすすめの曲を紹介したいと思います。
Lady Gagaとは?
1986年、ニューヨークのイタリア系カトリック家庭に生まれた彼女(本名:ステファニー・ジャーマノッタ)は、4歳でピアノを始め、幼少期から音楽の才能を発揮していました。名門ニューヨーク大学(Tisch School of the Arts)で演劇と音楽を学びましたが、実践的な活動を求めて中退。
下積み時代は、ストリップクラブで働いたり、ロックバンドを組んだりと試行錯誤の日々でした。しかし、アンダーグラウンドなクラブシーンでパフォーマンスを磨く中で、クイーンの楽曲「Radio Ga Ga」にちなんだ「レディー・ガガ」という名を名乗り始め、その才能がR&B歌手エイコンの目に留まり、メジャーデビューへの切符を掴みます。
2008年、デビューアルバム『The Fame』がリリースされると、世界は一変しました。「Just Dance」や「Poker Face」がチャートを独占し、翌年の『The Fame Monster』収録の「Bad Romance」でその人気は不動のものとなります。
当時の彼女は、音楽だけでなくその「奇抜なファッション」でも注目を浴びました。生肉ドレスやカエルのぬいぐるみのコートなど、常に世間の常識を覆すスタイルで登場し、「次は一体何をするのか」と世界中が彼女の一挙手一投足に注目しました。
2011年のアルバム『Born This Way』は、彼女のキャリアにおける精神的な柱となりました。「自分らしく生きる」ことを高らかに歌った表題曲は、LGBTQ+コミュニティを含む世界中のマイノリティへの応援歌(アンセム)となり、彼女はファン(リトル・モンスター)たちを導く「マザー・モンスター」としての地位を確立します。
しかし、その後のアルバム『ARTPOP』での商業的な苦戦や、股関節の手術による休養など、華やかなスポットライトの裏で身体的・精神的な苦痛とも闘っていました。
転機となったのは、2014年の大御所トニー・ベネットとのジャズ・アルバム『Cheek to Cheek』でした。派手な演出を封印し、その圧倒的な歌唱力だけで勝負したこの作品は、世間の「イロモノ」という偏見を払拭しました。
さらに、2018年の映画『アリー/ スター誕生(A Star Is Born)』での主演は、彼女のキャリアを決定づけました。素顔に近い姿で演じ、歌った主題歌「Shallow」はアカデミー賞歌曲賞を受賞。女優としても超一流であることを証明し、幅広い世代から愛される真のエンターテイナーへと進化を遂げました。
その後も、原点回帰したダンスポップアルバム『Chromatica』(2020)のヒットや、映画『ハウス・オブ・グッチ』への出演など精力的に活動。
2024年には映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』でハーレイ・クイン役を演じ、ブルーノ・マーズとのコラボ曲「Die With A Smile」が世界的なロングヒットを記録するなど、その勢いは止まりません。
Lady Gagaのおすすめ人気曲、代表曲、アルバム
Just Dance (feat. Colby O’Donis) (収録アルバム:The Fame)
世界中が彼女の名前を知ることになった記念すべきデビュー・シングル。シンセ・ポップの王道を行くキャッチーなビートと、「酔っ払ってもただ踊り続けたい」という享楽的な歌詞が、当時のクラブシーンを席巻しました。シンプルながらも、スターとしての輝きと中毒性が既に完成されている一曲です。
Poker Face (収録アルバム:The Fame)
「ポーカー・フェイス(無表情)」で本心を隠す駆け引きを歌った、2000年代を代表するエレクトロ・ポップの傑作。「Ma ma ma ma」というロボットのようなフックの耳残りは異常なほどで、ダークなシンセサイザーと彼女の野太いアルトボイスの組み合わせが、ポップ・ミュージックの新たな基準を作りました。
Paparazzi (収録アルバム:The Fame)
名声を追い求めるストーカー的な執着心を描いた楽曲。カメラのフラッシュ音を模したリズムや、エレガントでありながら不穏さを漂わせるプロダクションが秀逸です。MTV VMAでの、血まみれになって吊るされる衝撃的なパフォーマンスとともに記憶されているファンも多いはずです。
Bad Romance (収録アルバム:The Fame Monster)
「Rah-rah-ah-ah-ah」という呪文のようなイントロから始まる、ガガ史上最高傑作との呼び声高いモンスター・ソング。不気味さと美しさ、そして圧倒的な高揚感が同居しており、サビの爆発力はポップ史に残るレベルです。彼女の奇抜なファッションと芸術性が音楽と完全に融合した瞬間でした。
Alejandro (収録アルバム:The Fame Monster)
Ace of Baseを彷彿とさせる、哀愁漂うユーロポップ/ラテン・ビートが特徴的な楽曲。「Alejandro」「Roberto」と男性の名前を呼びながら、恋人との決別を告げる歌詞はミステリアスで、暗く湿った雰囲気が漂います。ミュージックビデオの宗教的・軍事的なビジュアルも大きな話題を呼びました。
Telephone (feat. Beyoncé) (収録アルバム:The Fame Monster)
ビヨンセを迎えた豪華すぎるコラボレーション曲。電話に出られない(出たくない)状況を、高速なダンスビートと電話のSEを交えてコミカルかつスタイリッシュに表現しています。二人のディーバが織りなすパワフルな歌声と、短編映画のようなミュージックビデオも含めて伝説的な一曲です。
https://enjoynglish.tokyo/music/recommend_beyonce
Born This Way (収録アルバム:Born This Way)
「私はこうなるように生まれてきた」と高らかに宣言する、すべてのマイノリティとアウトサイダーに捧げられた究極の自己肯定アンセム。マドンナの「Express Yourself」へのオマージュを感じさせるディスコ・ビートに乗せて、人種やセクシュアリティの壁を超えた普遍的な愛を歌い上げています。
The Edge of Glory (収録アルバム:Born This Way)
亡くなった祖父に捧げられた、スタジアム・ロック級の壮大なパワー・バラード。Eストリート・バンドのクラレンス・クレモンズによるサックス・ソロが哀愁と力強さを添えています。ダンス・ミュージックでありながら、人生の最期の瞬間を祝福するかのような感動的な余韻を残します。
Yoü and I (収録アルバム:Born This Way)
クイーンのブライアン・メイがギターで参加し、「We Will Rock You」のビートをサンプリングした、アリーナ・ロック色の強いナンバー。かつての恋人(と故郷ネブラスカ)を取り戻そうとする情熱を、泥臭いまでの迫力で歌い上げています。ピアノを弾き語る「ミュージシャン・ガガ」の魅力が詰まった一曲。
Applause (収録アルバム:ARTPOP)
「私は拍手(喝采)のために生きている」と、パフォーマーとしての本能をさらけ出したエレクトロ・ダンス・チューン。難解になりがちだったアルバム『ARTPOP』の中で、最もストレートでポップな輝きを放っています。批判さえもエンターテインメントに変えてしまう彼女の強靭な精神性が表れています。
Always Remember Us This Way (収録アルバム:A Star Is Born Soundtrack)
映画『アリー/ スター誕生』の劇中で歌われる、ピアノ・バラードの名曲。夕焼けのような温かさと、「この瞬間を永遠に忘れない」という切ない願いが込められています。劇中の役柄を超えて、多くの人々の思い出に寄り添う、普遍的なラブソングとして日本でも非常に人気が高い楽曲です。
Million Reasons (収録アルバム:Joanne)
カントリーとフォークの影響を色濃く反映した、アコースティックなバラード。「去るべき理由は100万個あるけれど、留まるためのたった一つの理由が欲しい」という切実な願いを、声を張り上げて歌う姿に胸を打たれます。派手な衣装を脱ぎ捨て、”Stefani”としての素顔を見せた名曲です。
Shallow (with Bradley Cooper) (収録アルバム:A Star Is Born Soundtrack)
映画『アリー/ スター誕生』の主題歌として世界中で社会現象となったデュエット曲。静かなカントリー・フォークから始まり、ガガの雄叫びとともにロック調へと展開するクライマックスは圧巻です。虚飾のない生身の歌声が、聴く人の魂を震わせる永遠のスタンダード・ナンバー。
Rain On Me (with Ariana Grande) (収録アルバム:Chromatica)
アリアナ・グランデとタッグを組んだ、涙を流しながら踊るためのハウス・アンセム。「降るなら降ればいい(雨=苦難)」と逆境を受け入れ、それをエネルギーに変えていくポジティブな力に満ちています。90年代フレンチ・ハウスを彷彿とさせるビートが、パンデミック下の世界に希望を与えました。
Hold My Hand (収録アルバム:Top Gun: Maverick Music from the Motion Picture)
映画『トップガン マーヴェリック』のために書き下ろされた、80年代アリーナ・ロックの風格漂う壮大なバラード。戦闘機が空を裂くようなギターソロと、ガガの慈愛に満ちたボーカルが、映画の感動を何倍にも増幅させました。孤独な誰かの手を握りしめるような、温かく力強いメッセージソングです。
Happy Mistake (収録アルバム:Harlequin)
映画『ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ』のインスパイア・アルバムに収録された、アコースティックで血の通ったバラード。「人を楽しませるために演じている狂気(Mistake)が、いつしか本当の自分になってしまう」という、芸能界に生きる彼女自身の苦悩と重なる歌詞が、痛いほど胸に響きます。
Die With A Smile (with Bruno Mars) (収録アルバム:Mayhem)
ブルーノ・マーズとの夢のコラボレーションが実現した、ソウルフルなミッドテンポ・バラード。「もし世界が終わるなら、君のそばで笑顔で死にたい」という究極のラブソングを、二人の圧倒的な歌唱力で歌い上げています。70年代ソウルの懐かしさと現代的なポップネスが融合した、2024年を代表する大ヒット曲。
https://enjoynglish.tokyo/music/artist/recommend_bruno
Disease (収録アルバム:Mayhem)
アルバム『Mayhem』からのリードシングルで、久々に「ダークなガガ」が帰還したインダストリアル・ポップ。「私があなたの病(病みつきになる存在)であり、解毒剤でもある」と歌う背徳的な歌詞と、攻撃的なシンセベースが特徴です。初期のヒット曲を彷彿とさせつつ、より洗練された”毒”を含んだ一曲。
Abracadabra (収録アルバム:Mayhem)
2025年のアルバム『Mayhem』に収録された、中毒性抜群のダンス・ポップ。「Bad Romance」の頃を思い出させるような意味不明なフレーズ(ジベリッシュ)と、呪文のようなフックが脳内をループします。魔法にかかったように踊り出さずにはいられない、レディー・ガガのポップ・クイーンとしての復権を象徴するトラックです。
まとめ
個人的にまず聞いてほしい曲。アルバム
おわりに
いかがだったでしょうか。
レディー・ガガは、音楽界とハリウッドの両方で頂点を極め、自身の痛みや弱ささえも芸術に変えて人々に勇気を与える、リビング・レジェンド(生ける伝説)として輝き続けていますね。
ぜひ聞いてみてください。
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