新世代のポップクイーンにしてラップスター、ドジャ・キャット。
そんな彼女のおすすめの曲を紹介したいと思います。
Doja Catとは?
1995年、ロサンゼルスの芸術家一家に生まれた彼女(本名:アマラ・ラトナ・ザンディル・ドラミニ)は、幼少期からダンスや音楽に親しみ、10代の頃にはSoundCloudに自ら制作した楽曲を投稿し始めました。彼女を一躍有名にしたのは、2018年に公開された「Mooo!」というシュールな楽曲のミュージックビデオです。牛のコスチュームに身を包んで鼻にポテトを詰めるという、インターネット・ミーム的な感性が世界中で爆発的な話題となりましたが、それは彼女の計り知れない才能の序章に過ぎませんでした。
彼女の真のブレイクは、2019年の2ndアルバム『Hot Pink』、そしてTikTokでのダンス・チャレンジをきっかけに全米1位へと駆け上がった「Say So」でした。ここで彼女は、甘くメロウな歌声とテクニカルなラップを自由自在に行き来する「二刀流」のスタイルを確立します。続く2021年の3rdアルバム『Planet Her』では、SZAやザ・ウィークエンドといった豪華ゲストを迎えつつも、自身の圧倒的な個性を発揮。グラミー賞の「最優秀ポップ・パフォーマンス(グループ)」を受賞するなど、名実ともに世界最高のポップスターの座に就きました。
2023年から2024年にかけて、彼女はそれまでの「親しみやすいポップスター」というイメージを自ら壊すように、髪を剃り、眉毛を落とし、全身を赤一色のクリスタルで覆うといった前衛的なビジュアルへと変貌を遂げました。
4thアルバム『Scarlet』では、ポップな要素を削ぎ落とし、自身のルーツである硬派なラップを追求。「Paint The Town Red」の大ヒットにより、彼女は世間の期待に従うのではなく、自身の芸術的衝動に従うことで、より強固な支持を得ることに成功しました。
歌とラップの両面で頂点を極めながら、常に「退屈」を嫌い、自己破壊と再生を繰り返すその姿勢。彼女は単なるエンターテイナーではなく、ポップカルチャーを攪乱し、再定義し続ける「表現者」として、確固たる地位を築いています。
Doja Catのおすすめ人気曲、代表曲、アルバム
Mooo! (収録アルバム:Amala)
彼女を一躍ネット上のスターダムに押し上げた伝説のバイラルソング。「Bitch, I’m a cow(私は牛よ)」と歌うシュールなユーモアと、意外にも心地よいローファイなヒップホップビートが特徴です。彼女の遊び心とインターネット・ミーム的なセンスが凝縮された、キャリアの原点です。
Tia Tamera (feat. Rico Nasty) (収録アルバム:Amala)
90年代のシットコム『Sister, Sister』の双子姉妹を題材にした、ベース音が強烈なバンガー。Rico Nastyとのスリリングな掛け合いが魅力で、ポップな可愛らしさよりも、ハードなラップスキルと「ワルさ」が前面に出たエネルギッシュな一曲です。
Juicy (feat. Tyga) (収録アルバム:Hot Pink)
女性の体を肯定的に讃える、フルーツのように瑞々しいR&Bヒップホップです。80〜90年代のR&Bを彷彿とさせるキャッチーなメロディとTygaの客演がマッチしており、彼女がマニアックなラッパーから大衆的なポップスターへと飛躍するきっかけを作りました。
Rules (収録アルバム:Hot Pink)
西部劇を思わせるギターのイントロから始まる、自信に満ち溢れたヒップホップ・トラック。「私の感情をもてあそばないで」と警告しつつ、タイトで攻撃的なフロウを披露しています。ドスの効いたラップとかっこいいドージャを堪能できる一曲です。
Say So (収録アルバム:Hot Pink)
TikTokで爆発的ヒットとなり、世界中を踊らせたディスコ・ポップの金字塔。70年代風のファンキーなギターと甘いボーカル、そして中盤のラップパートのバランスが完璧で、彼女を世界的スーパースターの座へと押し上げました。
Streets (収録アルバム:Hot Pink)
後に「Silhouette Challenge」で再評価され大ヒットした楽曲。B2KをサンプリングしたダークでムーディーなR&Bバラードで、切ない歌声から後半の激しい感情表現への展開がドラマチックです。ラッパーとしてだけでなくシンガーとしての表現力の高さも証明しました。
Boss Bitch (収録アルバム:Birds of Prey: The Album)
映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』のサントラ収録曲。高速テクノ/ハウス調のビートに乗せて、アンチへの反撃を叫ぶクラブ・アンセムです。ランウェイを闊歩したくなるような疾走感があり、ライブでも最高に盛り上がるパワフルな一曲です。
Ain’t Shit (収録アルバム:Planet Her)
R&Bの滑らかなビートに乗せて、ダメ男たちへの不満をぶちまける毒舌ソング。「Niggas ain’t shit(男なんてクソ)」というフレーズを美しいファルセットで歌い上げる皮肉なユーモアと、低い声での冷徹なラップの対比が強烈。TikTok等でも大きな話題を呼びました。
Kiss Me More (feat. SZA) (収録アルバム:Planet Her)
SZAを迎えた、グラミー賞受賞のポップ・アンセム。宇宙的かつドリーミーなプロダクションと、ディスコのリズムが融合した「夏」を感じさせる爽やかな楽曲です。二人の歌声の相性が抜群で、サビのキャッチーさは一度聴いたら頭から離れません。
Need to Know (収録アルバム:Planet Her)
重厚なベースと浮遊感のあるシンセサイザーが特徴的な、近未来的なトラップ・ソング。歌詞は非常に官能的ですが、ドージャのメロディアスなラップスタイルのおかげで、下品にならずスタイリッシュに聴こえます。『Planet Her』の世界観を象徴するサウンドです。
Woman (収録アルバム:Planet Her)
アフロビーツのリズムを取り入れた、女性性の神聖さを讃えるダンサブルなナンバー。腰を動かしたくなるグルーヴ感と、力強くもセクシーなボーカルが魅力です。歌詞にはフェミニズム的なメッセージも込められており、世界中のクラブやSNSで愛されました。
Get Into It (Yuh) (収録アルバム:Planet Her)
彼女が敬愛するニッキー・ミナージュへのトリビュート的な要素を含む、高速ラップ曲。シンプルで遊び心のあるビートの上で、声を巧みに操りながら変幻自在なフロウを披露しています。曲の終わりの語り部分も含めて、ドージャのキャラクターが全開に出ています。
Vegas (収録アルバム:ELVIS (Original Motion Picture Soundtrack))
映画『エルヴィス』のために書き下ろされた曲で、Big Mama Thornton版の「Hound Dog」をサンプリング。クラシックなブルースの要素と現代のトラップビートを融合させ、男性への不満をスキルフルにラップする手腕は圧巻です。
Attention (収録アルバム:Scarlet)
ポップ路線から一転、ダークで不穏な雰囲気のブーンバップ調トラック。名声の代償やパブリックイメージに対する苛立ちを、静かですが鋭い言葉で綴っています。派手なフック(サビ)を排除し、純粋なラップスキルとリリックで勝負に出た、アーティストとしての転換点となる一曲。
Paint The Town Red (収録アルバム:Scarlet)
ディオンヌ・ワーウィックの名曲をサンプリングした、不気味さとキャッチーさが同居する大ヒット曲。「悪魔崇拝」などと騒ぐ世間の声をあざ笑うかのような、「私は私のやりたいようにやる」という強烈なアティチュードが痛快です。シンプルながら中毒性が極めて高いビートが特徴。
Agora Hills (収録アルバム:Scarlet)
90年代〜00年代初頭のR&Bを彷彿とさせるドリーミーなトラックに、わざと訛らせたような独特な声色(ヴァレー・ガール風)を乗せた意欲作。公共の場での愛情表現(PDA)をテーマにしたロマンチックな曲ですが、ドージャらしい「奇妙さ」と「可愛さ」が混ざり合った不思議な魅力があります。
Jealous Type (収録アルバム:Vie)
『Scarlet』でのラップ路線から一転、再びポップへの回帰を高らかに告げたリードシングル。80年代風のきらびやかなシンセ・ポップに乗せて、「私って嫉妬深いタイプなの」と可愛らしくも執着心たっぷりに歌い上げます。懐かしさと新しさが同居する、ダンサブルな一曲です。
Gorgeous (収録アルバム:Vie)
80年代の美学を取り入れた、きらびやかで自信に満ちた楽曲。自身の美しさを堂々と誇示する歌詞と、高揚感のあるプロダクションが特徴で、聴く人を「主役」の気分にさせてくれます。母親の声をサンプリングに使用するなど、パーソナルな要素も織り交ぜられた新しいアンセムです。
Take Me Dancing (feat. SZA) (収録アルバム:Vie)
再びSZAとタッグを組んだ、ロマンチックでダンサブルなナンバー。「この大きな屋敷で孤独を感じているから、私をダンスに連れ出して」と願う切なくも甘い歌詞が印象的です。二人の歌声が織りなすハーモニーと心地よいグルーヴが、聴き手を夢のような夜へと誘います。
まとめ
個人的にまず聞いてほしい曲。アルバム
おわりに
いかがだったでしょうか。
デジタル時代のポップアイコンでありながら、真の実力派ラッパーでもある彼女は魅力的ですね。
ぜひ聞いてみてください。
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