ルックスやキャラ、そして楽曲が各方面で評価されているチャペル・ローン。
そんな彼女のおすすめの曲を紹介したいと思います。
Chappell Roanとは?
1998年、アメリカ中西部のミズーリ州ウィラードという保守的な小さな町で、彼女はケイリー・ローズ・アムスタッツとして生まれました。敬虔なクリスチャンの家庭で育ちながらも、彼女は幼い頃から音楽に救いを求め、10代でピアノを弾きながら自作の曲を作り始めます。
YouTubeに投稿した動画がきっかけとなり、わずか17歳でメジャーレーベル(アトランティック・レコード)との契約を獲得。高校卒業と同時にロサンゼルスへ渡り、歌手としてのキャリアをスタートさせました。
しかし、初期の彼女は現在のような煌びやかなスタイルではありませんでした。当時はダークでシリアスなバラードを中心とした楽曲を制作していましたが、商業的な成功には繋がらず、方向性に迷いが生じます。
転機となったのは、LAのゲイバーを訪れた際にインスピレーションを受けて書いた楽曲「Pink Pony Club」でした。しかし、当時のレーベルはこの曲を評価せず、2020年に彼女は契約を打ち切られてしまいます。
夢破れた彼女はミズーリの実家に戻り、ドライブスルーの窓口やバリスタとして働きながら、再び音楽を作る資金を貯める日々を送りました。この時期、彼女は自分自身のクィア(性的マイノリティ)としてのアイデンティティや、本当に表現したい「キャンプ(大げさで人工的な美学)」な世界観と深く向き合うことになります。
諦めなかった彼女は、オリヴィア・ロドリゴのプロデューサーとしても知られるダン・ニグロとのパートナーシップを深め、インディペンデント(無所属)アーティストとして「Pink Pony Club」をリリース。この曲が徐々にネット上でカルト的な人気を集め始めます。
亡き祖父の名前に由来するステージネーム「チャペル・ローン」を背負い、ドラァグクイーンに影響を受けた派手なメイクと衣装、そして演劇的なパフォーマンススタイルを確立。2023年にはデビューアルバム『The Rise and Fall of a Midwest Princess』をリリースし、再契約を果たしました。
彼女の人気を爆発させたのは2024年です。オリヴィア・ロドリゴのアリーナツアーのオープニングアクトに抜擢されたことで注目を浴び、さらにアメリカ最大級のフェス「コーチェラ」での圧巻のパフォーマンスがSNSで拡散され、話題を独占しました。
アルバム発売から時間が経ってからの異例のチャート急上昇(スリーパーヒット)に加え、新曲「Good Luck, Babe!」が大ヒットを記録。圧倒的な歌唱力と、ユーモアと切なさが同居する歌詞、そして「自分が何者であるか」を誇らしく表現する姿は多くの若者の共感を呼びました。
Chappell Roanのおすすめ人気曲、代表曲、アルバム
Good Hurt (収録アルバム:School Nights)
2017年のデビューEP収録曲。近年の華やかなキャンプ・スタイルとは異なる、ダークで重厚なオルタナティブ・ポップです。悪い関係と知りながらも痛み(Hurt)を求めてしまう複雑な心境を、深みのあるボーカルで歌い上げています。彼女の並外れた歌唱力は既にこの頃から健在です。
Pink Pony Club (収録アルバム:The Rise and Fall of a Midwest Princess)
彼女のキャリアを決定づけた、解放と自己発見のアンセム。保守的な故郷を離れ、ウェスト・ハリウッドのゲイバーで踊り明かす喜びを描いています。切ないピアノのイントロから高揚感あふれるサビへの展開がドラマチックで、多くのリスナーの涙とダンスを誘いました。
Naked in Manhattan (収録アルバム:The Rise and Fall of a Midwest Princess)
「初めて女の子に恋をした」時の高揚感と戸惑いを描いた、キラキラとしたシンセ・ポップ。「マンハッタンで裸になりたい」というフレーズは、文字通りの意味だけでなく、精神的にすべてをさらけ出したいという切実な願いが込められています。青春映画のワンシーンのような一曲。
Femininomenon (収録アルバム:The Rise and Fall of a Midwest Princess)
「フェミニン(女性的)」と「フェノメノン(現象)」を掛け合わせた造語をタイトルにした、カオスで楽しいポップ・ナンバー。ビートが頻繁に変化し、語りかけるようなパートや叫び声が入り混じる構成は、まさにジェットコースター。期待外れの男性に対する不満を、ユーモアたっぷりに吹き飛ばします。
Casual (収録アルバム:The Rise and Fall of a Midwest Princess)
「カジュアルな関係(セフレ)」に甘んじてしまう苦しさを描いた、壮大なミッドテンポ・バラード。相手の都合のいいように扱われていると知りつつも離れられない惨めさを、生々しい歌詞で綴っています。後半にかけて感情が爆発するボーカル・パフォーマンスは圧巻です。
Red Wine Supernova (収録アルバム:The Rise and Fall of a Midwest Princess)
「私は手品ができるの、あなたを赤面させるわ」という遊び心満載の歌詞が楽しい、キャッチーなアップチューン。アコースティック・ギターのカッティングと軽快なビートが心地よく、意中の女性を口説こうとする自信と少しの強引さが、とびきりキュートに表現されています。
HOT TO GO! (収録アルバム:The Rise and Fall of a Midwest Princess)
チアリーディングのような掛け声と振り付け(YMCAスタイル)で、ライブ会場を一体化させる最強のダンス・ナンバー。「私のことをホットにして(持ち帰りメニューのように)」というダブルミーニングを含んだ歌詞と、80年代風のシンセ・サウンドが中毒性抜群です。
Good Luck, Babe!
2024年にリリースされ、世界的な大ヒットとなった80年代風シンセ・ポップ。自分のセクシュアリティを否定し、男性との”普通の幸せ”を選ぼうとする元恋人に対し、「せいぜい頑張りなさい(Good Luck)」と皮肉と未練を込めて歌う、ドラマチックで切ない名曲です。
The Giver
「与える人(Giver)」というタイトル通り、献身的な愛や自己犠牲をテーマにしつつも、どこか相手をコントロールしているような凄みを感じさせます。カントリーの要素を取り入れたサウンドと、彼女のシアトリカルな表現力が融合した新境地です。
The Subway
ニューヨークの地下鉄を舞台に、都会の喧騒と孤独、そしてすれ違う人々への眼差しを描いたミッドテンポ・ソング。日常の風景を映画的に切り取る彼女のストーリーテリング能力が光り、どこか懐かしさを感じるメロディが心に染み渡ります。
まとめ
個人的にまず聞いてほしい曲。アルバム
- HOT TO GO!
- Good Luck, Babe!
- Pink Pony Club
おわりに
いかがだったでしょうか。
エキセントリックなポップクイーンの曲は非常に惹かれますね。
ぜひ聞いてみてください。
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